FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top




Bonjour フランスからです。

ついに、移民帰化局にて滞在許可の手続きを終えました。

この申請自体は、コートジボワールにあるフランス大使館にビザを発給してもらって来ているので、よほどごたつかない限りは通るはずのものです。

書類的には、わたしのビザがどういうわけかかなり長期で出されたので、夫のときの県庁とは場所が違って、移民帰化局での面接となりました。
このあたりの詳細は割愛し、情報保障という観点からまとめていきます。

結論から言うと、移民帰化局には最後まで無視されました。

まず、県庁に申請していた段階から、県庁の職員の対応がひどく上から目線で、サービスを受けるのは移民なのに指示がバリバリのフランス語で、聞こえないことにまったく配慮がないことに不安が増していました。

県庁職員の指示で、わたしだけ移民帰化局に行けとなったときに、移民帰化局にメールで手話通訳の配置についてお願いをしました。

--------------

10/20付 手話通訳のお願い(該当箇所のみ抜粋)

interprète en langue des signes
手話通訳について

je suis sourd.
私はろうです。

Si possible, je voudrais avoir un interprète en langue des signes LSF.
可能であればフランス手話による手話通訳の希望します。

Mon mari va aller avec moi, mais si l'OFII peut organiser l'expédition, merci de me proposer un interprète.
夫が同行しますが、移民帰化局側で手配可能であれば通訳の配置をお願いします。

--------------


これはアッサリとシカトされました。

この間にフランス人ろう者総計6人に(ろう専門の相談機関の相談員を含む)尋ね、フランスの手話通訳依頼について、ろう側からの状況を知ることができました。

フランスでは、手話通訳に公的派遣、つまり、ろう当事者の自己負担なしの派遣が存在しないのです。
このことは以前のジャーナルに書いたので、お読みください。

情報保障の概念が日本と違い、毎月一律前払い方式なのです。
そこから払わないといけないため、普段は支給された情報保障費を使わずに貯金し、いざというときにストックから払うというものでした。
支給される金額は、人によってばらつきがありましたが、毎月350ユーロから380ユーロ、400ユーロ以下を支弁されるということです。

手話通訳の派遣団体は民間にいくつかあり、料金としてはほどほどのところから高いところまであるようです。

ちなみに、パリろう学校の中にも歴史のある派遣機関があり、そこでは2時間セットで130〜150ユーロと言われました。

相談機関の人(ろう者)に話したところ、結局、待機時間も謝金を払わないといけないこと、県庁で6時間、7時間と待たされて待機時間が読めないことから、その待機時間まで積算して払うのはとんでもない金額になる、だから家族が同伴するか、がんばって筆談してはどうかということを言われました。

「ここはそんなに高くない」と紹介された、ある派遣機関のところは、90分セットで150-172ユーロほどでした。

また別に紹介されたところでは、相談に対し、「(移民帰化局への無償の)派遣はできないけれども、本来、移民帰化局が責任をもって派遣すべきだと思います」、と言ってもらえました。
その上で、「移民帰化局から返事がないのも想定内ですが、もし家族が同伴できるならそれが一番ですね」、というものでした。

11月に入り、移民帰化局への2回目のメールを送り、これまでの調査をふまえて貴局が準備すべきである、と要望を改めて伝えました。
なしのつぶてで、そのまま面接当日を迎えました。

当日は、せめてもの身ぶりや指さしなどの配慮を期待していたのですが、音声だけで名前の呼び出しが続き、わからないとそのまま飛ばされるのでは、というような不安をあおるものでした。

手続きが終わってからひとこと言おうと覚悟を決めて、怒りで不機嫌になりつつ待っていました。

最後の手続きをする担当者がなんとなく良い人の予感で、初めて「英語とフランス語のどちらがいいですか?」と尋ねられ、驚きました。

紙にマーカーで引いてくれたりと対応が良かったので、許可証をもらってから最後にやりとりしました。


ねこ  少しお話よろしいですか?


担当  はい。


ねこ  私はろうです。今回のここでの面接にあたり、手話通訳の配置を移民帰化局にメールで2回お願いしましたが、お返事がまったくなかったのです。移民帰化局としては、ろうに手話通訳を配置しないのですか?


担当  メールを読む担当ではないのですが、残念ですが、手話通訳のサービスは無いのです。


ねこ  せめて返事がほしかったですね。


担当  申し訳ありません。でも、滞在許可の手続きはこれで終わりですよ!フランスにようこそ!


「フランスにようこそ」じゃないよ!


と思ったものの、そもそも手話通訳は福祉手当があっても自費でという国だとわかっていたため、それ以上は抗議らしき抗議をすることもなく、終わりました。


「手話通訳のことはともかく、やっと滞在許可が出た、よかったね、おめでとう!」と夫に言われ、手話カフェでお祝いランチをしてきました。


ここで手話カフェのスイーツを。


メレンゲを厚焼きしたものにアーモンドスライスととろとろのクリームをかけたもの。



伝統的なりんごコンフィのタルト。



手話での接客にほっこりしてきました。
みづらいけど、ランチマットになってる下敷きの紙に指文字が、お皿にはカフェシーニュ(手話カフェ)の文字が描かれています。
店内のカウンターには、広島から来られたという手話カフェ関係なのかな、団体の写真が額に入れられていました。音声フランス語の通訳を伴って日本から来られたそうです。
わたくしは通って常連になります。
他に行くぐらいならここがいいです。


でも、どんよりした気持ちは残ります。


滞在許可が出た喜びよりも、フランスの手話通訳の派遣実態を知り、情報保障費を受けてない移民の立場の弱さをひしひしと感じて、フランスに対して憂うつになりました。

移民帰化局からはせめて、「筆談します」とか、何か「歩み寄り」のアクションがあってほしかったです。完全に無視!ですから。

でも、最後の最後で当たった担当者が感じのよい人でよかったです。
フランス人にしては類まれな人で、謝ってくれたということは、特筆すべきである、と思います。
最後の人にたどり着くまでに、わたしのメンタルは日々ダウンしていってましたから。

今回のことについて、ごく普通のフランス人ろう者たち、相談機関の人たち、元ろう学校の先生、日本人経験者、彼らを介在した更なる繫がりがあったであろう人たちに、「フランス移民帰化局におけるろう者の情報保障を受ける権利」について、話題にし、考え、アイデアを共有してくれたことに、感謝の意を記します。


晴れ晴れしい気持ちではないですが、ひとまず、滞在許可は出ました。


他にできることとして、フランス大使館に対して、これまでの経緯を含めて意見を送れるかどうか検討していこうかと思います。
まあそこまでせんでええんちゃう、と思う気持ちもありますが、最後までやらなあかんやろ、とも思うわけです。

今回、私に一番寄り添ってくれたのは、派遣と支援団体で、本来は移民帰化局が準備すべきである、と言ってもらえた所です。
家族が一番とか、誰か一緒に行ってもらえる人いないのとか、発想が弱者におとしめているわけで他者依存でしょ、がっかりしました。


以上で、報告をひとまず終えます。


ともあれ、滞在許可出た!
おめでとう自分!
スポンサーサイト
2017.11.28 Tue l diary トラックバック (0) l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。