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ぼんじゅーる、アビジャンからです。
今日は「歩く」ことについて書きます。


コートジボワールでは数年前まで内戦があり、そのときの負傷も多数あったのでしょう、アビジャンの街なかでは膝から下の足がない人や、足に障害のある人を比較的多く見かけます。


しかし、その人たちに十分な補装具の福祉が提供されていないことは、一目瞭然です。


車椅子が必要だと思うのですが、車椅子を使っているのはネクタイをしめた比較的身なりのよい人で、障害者福祉局の人であったりと、良い社会階層の人たちだけです。


車椅子じたいは、道沿いにあるストリートマーケットで普通の椅子と一緒に売られていて、杖もあります。
夫が杖(写真)を買ったときも、そのような椅子の売り場で買いました。
しかし、杖でも比較的高かったです、ここの最高額の紙幣を出しました。


私が気になるのは、杖でない人が多いからです。
杖でなく、明らかに木の枝を伐採したもの一本で代用し、自身のバランスを支えて歩く人がいます。
この人は両手が使えるから、二本の松葉づえがあればもっと歩きやすいだろうに、と思いました。


木の枝を使える人は、まだいいほうです。
よく見かけるのは、両手にビーチサンダルを履き、すりきれないよう膝に布をまき、洗面器のような入れ物にカバンを入れ、それを押しながら這って歩く人です。


先日、高級地区のプラトーで、ワンピースを着た女性がこの方法で歩いていて衝撃を受けました。
まず、どうしてプラトーで?というのがあります。
プラトーはスーツの人が多い、信号のある街で、労働者階層の街とは違い、ここにいる人なら車椅子を使えるだろうという社会的な見方からです。


女性のみなりは良く、化粧をしていて、動作はきびきびとした運びで、目的があってそこに向かうという意思を感じました。
労働者階層の地域で見かけるのは、もっと貧しい人たちです。
プラトー階層で福祉が行き渡らないなら、ましてや労働者階層なら無理です。


福祉が機能しないなら、人は自分に残された能力で移動の自由を確保していくものだということも感じました。
足がだめなら手で這っていく、ちゃんと化粧をして、後ろから下着が見えない程度の長さのワンピースを着て。
私にそれができるだろうか?


車椅子や義足を作る技術の普及、それを必要な人につなぐ制度、どちらも必要ですよね。


労働者階層では、スケボーのようなものを自作してそれに身体を乗せて移動する人も見かけました。
ある意味、進化していると言っていいのか、ビーチサンダルで這っていくよりは速く、私が歩くよりも速く、渋滞の街なかをさっそうと移動していました。


どちらも共通しているのは、自分でなんとかしようという意思、そして周りの驚くほどの無関心な態度です。
自分で何とかできる間は社会的に生きていける、そうでなくなったら終わり、という厳しい状況を目の当たりにしています。


車椅子をたくさん買ってきて寄付すれば解決するのでしょうか?
換えのタイヤ、修理のケアの場所は?
必要な人に届けるための制度の構築は?
それが福祉サービスです。


私はその昔、実際に車椅子に関わるまで、車椅子のタイヤがパンクすることを知りませんでした。
「自転車だってパンクするでしょ?車椅子もパンクするよ」とあきれて教えてもらったものです。
関わらない人は寄付すればよいと考えるものだけれど、継続するためにはこの国の福祉が立ち上がらなければ。


どうしたら進むのでしょうね。
車椅子売り場まで連れて行きたい衝動を心に抱えながら、複雑な気持ちでビーチサンダルで這って移動する人たちを見送っています。


人は足のみにて歩くにあらず。
「歩く」意思とは、尊厳とは。


日本では、街なかの段差や駅のエレベーターがないことで、車椅子を使う人たちが移動の自由が制限されている、という状況がありますが、ここでは段差以前の課題があります。


自作スケボーのお兄さんは泥道や道にあるいろんな山(産業廃棄物やゴミも)を軽々と超えていました。
あのお兄さんなら、段差って何だ?超えればいいだろう?って笑いとばしそうです。
それはけして、ハッピーな笑いではないのですが、超えるしかないのですから。


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2017.06.20 Tue l diary トラックバック (0) l top

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